カテゴリ: C言語 更新日: 2026/01/15

C言語のvolatileキーワードとは?組込み開発で欠かせない役割を解説

C言語のvolatileキーワードとは?組込みでの役割
C言語のvolatileキーワードとは?組込みでの役割

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「C言語で変数の前にvolatileって書いてあるのを見たんですけど、これは何ですか?」

先生

「volatileはとても重要なキーワードで、特に組込みプログラミングでよく使われます。プログラムが扱う値が予期せず変わる可能性があるときに使うものです。」

生徒

「予期せず変わるってどういうことですか?変数って自分で代入しないと変わらないんじゃないんですか?」

先生

「実は、C言語では自分のプログラム以外にも値が変わる場面があります。そこを正しく扱わないと、想定と違う動作になってしまいます。」

1. volatileキーワードとは?

1. volatileキーワードとは?
1. volatileキーワードとは?

volatileとは、日本語で「変わりやすい」「不安定」といった意味を持つ英単語です。C言語では、予測できないタイミングで値が変わる可能性がある変数に付けるキーワードです。普通の変数はプログラムの流れに従って変わりますが、volatileが必要な変数は、外部の要因で急に変化する場合があります。

例えば、組込みプログラミングでは、マイコンのハードウェアが変数を変更することがあります。また、割り込み処理やマルチスレッドなどの仕組みで、別の場所から同じ変数が更新される場合もあります。これを正しく扱うためにvolatileが使われます。

2. volatileを使うと何が起きる?

2. volatileを使うと何が起きる?
2. volatileを使うと何が起きる?

コンパイルという作業では、コンピュータがプログラムを効率よく実行できるように、勝手に省略したり並べ替えたりする仕組みがあります。これを最適化といいます。最適化は便利ですが、値が思わぬタイミングで変更されると、最適化によって正しく動かなくなることがあります。

volatileを付けると、その変数はいつ変わるかわからないものとして扱われ、値を毎回メモリから読み取ります。これにより、勝手に古い値を使い続けるといった問題が防げます。


volatile int flag;

3. 組込みでvolatileが必要になる場面

3. 組込みでvolatileが必要になる場面
3. 組込みでvolatileが必要になる場面

組込み開発ではハードウェアと直にやり取りすることが多く、普通のプログラムよりも変数の動きが複雑です。例えば、外部のセンサーから値が入ってきたり、ボタン入力のフラグが更新されたり、割り込み処理で値が書き換わったりします。

こうした場合、値がいつ更新されるか予測できないため、毎回正しい値を読み取らなければなりません。volatileはまさにこうした用途のために存在しています。


volatile int sensor_value;

4. 割り込みとvolatileの関係

4. 割り込みとvolatileの関係
4. 割り込みとvolatileの関係

割り込みとは、今の処理を止めて別の処理を優先的に動かす仕組みです。マイコンではよく使われる技術で、ボタンが押されたり、タイマーが動いたりすると割り込みが発生し、別の関数が呼び出されます。

割り込み側が変数を変更することがあり、メイン処理がその変数を使って動く場合、必ずvolatileをつける必要があります。付けないと、コンパイラが「この変数は変わらないだろう」と勝手に判断し、同じ値を使い続けてしまいます。


volatile int button_pressed = 0;

void interrupt_handler() {
    button_pressed = 1;
}

5. 使わないとどうなる?

5. 使わないとどうなる?
5. 使わないとどうなる?

volatileを付け忘れると、正しい動作をするはずのプログラムが全く動かなくなったり、一見すると動いているように見えても実は誤動作していたりします。特に難しいのは、エラーが出ない場合が多いという点です。

例えば、フラグ変数が割り込みで変更されるのに、最適化によって同じ値をずっと読み続けると、いつまでもフラグが変わらず動きません。初心者はバグの原因が分からず苦労してしまいます。

6. シングルスレッドでも必要になることがある

6. シングルスレッドでも必要になることがある
6. シングルスレッドでも必要になることがある

volatileは組込みだけで使うわけではありません。普通のコンピュータでも役に立つことがあります。例えば、メモリマップドIOという仕組みでは、メモリの特定の場所にアクセスするだけで、ハードウェアと通信できる仕組みがあります。この仕組みでも値が勝手に変わるため、volatileが必要になります。

7. よくある誤解

7. よくある誤解
7. よくある誤解

「volatileを付ければスレッドの問題が解決する」と思われることがありますが、これは誤解です。volatileは変数の更新を正しく読み取るための仕組みであり、複数の処理が同時に変数を書き換える問題は別の対策が必要です。

volatileは魔法のキーワードではなく、正しい場面で使うことが大切です。

8. 実際の例で理解する

8. 実際の例で理解する
8. 実際の例で理解する

下の例ではフラグを監視し、更新されたら処理を進めるプログラムです。


volatile int ready = 0;

int main() {
    while(!ready) {
        // 待機
    }
    printf("準備完了!\n");
    return 0;
}

readyがいつ変更されるかわからないため、volatileが必要になります。このキーワードがないと、ずっと同じ値と判断され、無限ループになることがあります。

9. 組込み開発では必須の知識

9. 組込み開発では必須の知識
9. 組込み開発では必須の知識

センサー、タイマー、割り込み、ハードウェアレジスタなど、組込みプログラミングでは予測不能な動作が多く、volatileは欠かせません。きちんと理解していないと、原因がわからない不具合に悩まされることが多いです。

C言語の中でも上級者ほど重要性を理解しており、専門書や実際の開発現場でも必ず登場するキーワードです。

10. volatileはこういう変数に使う

10. volatileはこういう変数に使う
10. volatileはこういう変数に使う
  • 割り込みで更新される変数
  • ハードウェアが勝手に書き換える値
  • メモリマップドIOで扱う値
  • 外部要因で変化する変数

これらに当てはまる場合、volatileを使うことで、コンパイラが勝手に最適化しないようにできます。初心者のうちは難しく感じますが、理解できるとC言語の仕組みがより深く分かるようになります。

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