カテゴリ: C++ 更新日: 2026/01/18

C++の型エイリアス完全ガイド!typedefとusingでコードを読みやすくする方法

typedefとusingによる型エイリアス
typedefとusingによる型エイリアス

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、C++を書いていて、型名がすごく長くなってしまって読みにくいです。もっと簡単に書く方法はありませんか?」

先生

「型名が長くなると、何をしているプログラムか分かりにくくなりますよね。そんな時は『型エイリアス』という機能を使います。」

生徒

「型エイリアス?なんだか難しそうな響きですね。」

先生

「簡単に言うと、型に『あだ名』をつける機能のことですよ。C++では typedefusing を使って実現できます。一緒に詳しく見ていきましょう!」

1. 型エイリアスとは?

1. 型エイリアスとは?
1. 型エイリアスとは?

C++における型エイリアス(Type Alias)とは、既存のデータ型に対して別の名前(別名・あだ名)を付ける機能のことです。例えば、unsigned long long int という非常に長い型名があったとします。これを何度も書くのは大変ですし、読み間違いの原因にもなります。そこで、「これは『大きな数字』という意味だから BigInt と呼ぼう!」と決めることができるのが型エイリアスです。

プログラミング未経験の方に分かりやすく例えると、型エイリアスは「ニックネーム」のようなものです。本名が「山田太郎」という人が、友人から「山ちゃん」と呼ばれている状況に似ています。どちらの名前で呼んでも本人は同一人物(同一の型)ですが、ニックネームを使うことで親しみやすくなったり(書きやすくなったり)、役割が分かりやすくなったりします。データ型の管理において、非常に重要な基本構文の一つです。

2. 昔ながらの書き方「typedef」

2. 昔ながらの書き方「typedef」
2. 昔ながらの書き方「typedef」

まずは、C言語の時代から使われているtypedef(タイプデフ)というキーワードについて解説します。これは「Type Definition(型定義)」の略で、古くから多くのプログラムで使用されています。

書き方は typedef 既存の型 新しい名前; という順番で記述します。例えば、整数を表す int 型に Integer という名前を付けてみましょう。パソコンを触ったことがない方でも、左に「元々の名前」、右に「新しい呼び名」を書くと覚えれば簡単です。


// int型に Integer という別名を付ける
typedef int Integer;

Integer myNumber = 100; // int myNumber = 100; と書くのと同じ意味

実行結果は以下のようになります。


(myNumberに100が代入されます)

3. モダンで推奨される書き方「using」

3. モダンで推奨される書き方「using」
3. モダンで推奨される書き方「using」

C++11という新しい規格から登場したのが、using(ユージング)キーワードによる型エイリアスです。現代のC++開発では、先ほどの typedef よりも、この using を使うことが強く推奨されています。

理由は、書き方が「代入」に似ていて直感的だからです。using 新しい名前 = 既存の型; という形式で書きます。算数で x = 10 と書くように、「左側の新しい名前に右側の型を割り当てる」というイメージで理解できるため、初心者の方にも分かりやすい構成になっています。


// double(小数)型に Price という名前を付ける
using Price = double;

Price applePrice = 150.5; // double applePrice = 150.5; と同じ

このように書くことで、「この変数はただの小数ではなく、価格(Price)を扱っているんだな」ということが、プログラムを読む人に伝わりやすくなります。

4. なぜ型エイリアスを使うの?メリットを解説

4. なぜ型エイリアスを使うの?メリットを解説
4. なぜ型エイリアスを使うの?メリットを解説

わざわざ新しい名前を付けるのには、大きな理由が3つあります。これを知ると、C++の開発効率がぐっと上がります。

  • 意味が分かりやすくなる: int だけでは何に使う数字か分かりませんが、using Age = int; とすれば、年齢を扱っていることが一目で分かります。
  • 長い型名を短縮できる: 複雑な構造を持つデータ型(例えば std::vector<std::string> など)を StringList のように短くまとめられます。
  • 後から一括変更ができる: 例えば、最初は int で作っていたけれど、もっと大きな数字を扱いたくなって long long に変えたい時、エイリアスの定義場所を一箇所直すだけで、プログラム全体の型を入れ替えることができます。

これは、ビジネス書類で「代表取締役 山田太郎」と何度も書く代わりに、「甲」という別名(エイリアス)を使い、書類の冒頭で「甲=代表取締役 山田太郎とする」と定義するのと全く同じ工夫です。

5. typedefとusingの違いと使い分け

5. typedefとusingの違いと使い分け
5. typedefとusingの違いと使い分け

「どちらを使えばいいの?」と迷うかもしれませんが、結論から言うと常に using を使うのが現代の正解です。その理由を比較表で見てみましょう。

特徴 typedef using
読みやすさ 少し分かりにくい 代入式と同じで分かりやすい
テンプレート対応 できない できる(高度な機能)
登場時期 古い(C言語から) 新しい(C++11から)

特に、今後学習していく「テンプレート」という機能を使う際、using でないと対応できない場面が出てきます。最初から using に慣れておくことで、スムーズにステップアップできます。

6. 型エイリアスの具体的な活用例

6. 型エイリアスの具体的な活用例
6. 型エイリアスの具体的な活用例

実際の開発シーンを想定したプログラムを見てみましょう。例えば、ゲームのキャラクターのステータスを管理する場面です。体力を HP、攻撃力を Attack という別名で管理することで、コードの保守性(後から直しやすい性質)が高まります。


#include <iostream>

// 型に名前を付けて分かりやすくする
using HP = int;
using Attack = int;

int main() {
    HP playerHealth = 500;
    Attack playerPower = 75;

    std::cout << "プレイヤー体力: " << playerHealth << std::endl;
    std::cout << "プレイヤー攻撃力: " << playerPower << std::endl;

    return 0;
}

このように書くことで、「何に対しての数字なのか」という情報が型名自体に含まれるようになります。これは、変数の名前を工夫するのと同様に、良いプログラムを書くための重要なテクニックです。

7. 初心者が注意すべきポイント

7. 初心者が注意すべきポイント
7. 初心者が注意すべきポイント

型エイリアスを使う際に、注意してほしいことが1つあります。それは「新しい型を創り出しているわけではない」ということです。あくまで「既存の型に別の名前を付けただけ」です。

例えば、using Meter = int;using Second = int; という2つの名前を作ったとしても、中身はどちらも int です。そのため、MeterSecond を足し算しても、コンピュータはエラーを出さずに計算できてしまいます。「名前を変えたからといって、コンピュータがその意味(単位など)まで理解して監視してくれるわけではない」という点は覚えておきましょう。

また、エイリアスを使いすぎると、逆に「元々の型が何だったか」を調べる手間が増えてしまうこともあります。バランスが大切です。

8. 型エイリアスの宣言場所について

8. 型エイリアスの宣言場所について
8. 型エイリアスの宣言場所について

エイリアスはどこに書けばいいのでしょうか?基本的には、プログラムの上のほう( main 関数の外)に書くことが多いです。関数の外に書くと、そのファイル内のどこからでもその「あだ名」を使うことができます。

もし、特定の関数の中でしか使わないのであれば、その関数の中に書くことも可能です。このように、使いたい範囲に合わせて書く場所を選べるのもC++の文法の柔軟なところです。


#include <iostream>

// ここに書くとファイル全体で使える
using Score = int;

int main() {
    // ここに書くと main の中だけで使える
    using Name = std::string;
    
    Name playerName = "勇者";
    Score gameScore = 9999;
    
    std::cout << playerName << "のスコア: " << gameScore << std::endl;
    return 0;
}

9. 型エイリアスの未来(プロジェクトの成長に向けて)

9. 型エイリアスの未来(プロジェクトの成長に向けて)
9. 型エイリアスの未来(プロジェクトの成長に向けて)

プログラムが大きくなってくると、同じ using 定義を複数のファイルで共有したくなります。その場合は「ヘッダーファイル(.h)」という別のファイルにまとめて書き、それを読み込むことで、巨大なプロジェクト全体で同じ「あだ名」を共有できるようになります。

エイリアスを使いこなせるようになると、あなたの書くC++のコードは「ただの命令の羅列」から「意味のある設計図」へと進化します。まずは intAge と名前を付けるところから始めて、コードの読みやすさを追求していきましょう。変数とデータ型の基礎をマスターすれば、より高度な制御やクラスの学習もぐっと楽になりますよ!

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