カテゴリ: Rust 更新日: 2026/01/23

Rustの変数と基本データ型を徹底解説!整数・浮動小数点から型の選び方まで

Rustの基本データ型とは?整数型・浮動小数点型を一覧で解説
Rustの基本データ型とは?整数型・浮動小数点型を一覧で解説

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「Rustを勉強し始めたのですが、変数宣言のときにi32とかf64とか、数字がいっぱい出てきて混乱しています。これらは何を表しているんですか?」

先生

「それは『データ型』というものです。Rustは型にとても厳しい言語で、コンピュータのメモリを効率よく使うために、扱う数値の大きさをあらかじめ指定する必要があるんですよ。」

生徒

「他の言語だと適当に『数』として扱えることもありますが、Rustでは細かく分かれているんですね。どんな種類があるんですか?」

先生

「主に『整数型』と『浮動小数点型』があります。他にも論理値や文字型など、基本的なデータ型がいくつか用意されています。まずは、それぞれの型が持つ役割と、どう使い分けるべきかを学んでいきましょう!」

1. Rustの静的型付けと型推論の凄さ

1. Rustの静的型付けと型推論の凄さ
1. Rustの静的型付けと型推論の凄さ

Rustは「静的型付け言語」です。これは、プログラムを実行する前(コンパイル時)に、すべての変数の型が確定していなければならないことを意味します。これにより、型に関するバグを未然に防ぎ、実行時のパフォーマンスを最大化できるという大きなメリットがあります。

一方で、Rustには強力な「型推論」という機能が備わっています。すべての変数に型を明示的に書かなくても、代入される値からコンパイラが「これは整数だな」「これは小数だな」と賢く判断してくれるのです。初心者のうちは、この型推論に頼りつつ、重要な場面で型を意識していくのが上達の近道です。

2. 整数型の種類とサイズを一覧で比較

2. 整数型の種類とサイズを一覧で比較
2. 整数型の種類とサイズを一覧で比較

Rustの整数型は、大きく分けて「符号あり(i)」と「符号なし(u)」の2種類があります。符号ありはマイナスの値を扱えますが、符号なしは0以上のプラスの値のみを扱います。それぞれ、扱うデータのビット数(サイズ)によってさらに細かく分類されます。ビット数が大きいほど、より大きな数値を扱うことができますが、その分メモリを消費します。

サイズ 符号あり (Signed) 符号なし (Unsigned)
8-bit i8 u8
16-bit i16 u16
32-bit i32 u32
64-bit i64 u64
128-bit i128 u128
アーキテクチャ依存 isize usize

ここで登場する isizeusize は特殊な型で、プログラムを実行しているコンピュータのCPU(32bitか64bitか)によってサイズが決まります。主に配列のインデックス(要素番号)や、データのサイズを測る際によく使われます。初心者が普段のプログラミングで整数を使う場合は、Rustのデフォルト型である i32 を使うのが一般的です。これは、多くの環境でバランスの良いパフォーマンスを発揮するからです。

3. 整数型の変数を定義してみよう

3. 整数型の変数を定義してみよう
3. 整数型の変数を定義してみよう

実際にRustで整数型の変数を使ってみましょう。変数を宣言するには let キーワードを使用します。型を指定する場合は、変数名の後にコロン : を付けます。指定しない場合は、Rustが自動的に i32 と推論してくれることが多いです。


fn main() {
    // 型推論に任せる(デフォルトで i32)
    let age = 25;

    // 明示的に型を指定する(u32: 符号なし32ビット整数)
    let score: u32 = 100;

    // 大きな数値を扱う(i64: 符号あり64ビット整数)
    let population: i64 = 8000000000;

    // 読みやすくするためにアンダースコア(_)で区切ることも可能
    let large_number = 1_000_000;

    println!("年齢: {}", age);
    println!("スコア: {}", score);
    println!("人口: {}", population);
    println!("大きな数: {}", large_number);
}

年齢: 25
スコア: 100
人口: 8000000000
大きな数: 1000000

上記のコードにある 1_000_000 のように、数字の間にアンダースコアを入れるテクニックは非常に便利です。桁数の多い数字を扱う際、人間が読みやすくするための視覚的な補助ですが、プログラム上は通常の数値として正しく認識されます。こうした細かな配慮もRustの特徴の一つです。

4. 浮動小数点型で小数を扱う

4. 浮動小数点型で小数を扱う
4. 浮動小数点型で小数を扱う

現実世界の計算では、割り算の結果や科学的な測定値など、小数点以下の数値が必要になる場面が多々あります。Rustではこれらを「浮動小数点型」として扱います。整数型と違い、浮動小数点型には2つの種類しかありません。精度が異なる f32f64 です。

  • f32: 32ビット単精度浮動小数点型。メモリ節約が必要な場合や、特定のハードウェア制約がある場合に使用されます。
  • f64: 64ビット倍精度浮動小数点型。Rustのデフォルトの浮動小数点型です。現在のコンピュータでは f32 とほぼ変わらない速度で動作し、より高い精度が得られるため、通常はこちらを使います。

小数を記述する際、Rustは自動的に f64 として扱います。現代的なCPUにおいては、精度が高い f64 を使用することが計算ミスを減らす上で推奨されています。


fn main() {
    // デフォルトで f64 型になる
    let pi = 3.1415926535;

    // 明示的に f32 型を指定する
    let weight: f32 = 65.5;

    println!("円周率: {}", pi);
    println!("体重: {}kg", weight);
    
    // 計算の例
    let area = pi * 10.0 * 10.0;
    println!("半径10の円の面積: {}", area);
}

円周率: 3.1415926535
体重: 65.5kg
半径10の円の面積: 314.15926535

5. 数値計算における型変換の注意点

5. 数値計算における型変換の注意点
5. 数値計算における型変換の注意点

Rustを学び始めた人が最初につまずきやすいポイントが「型の混在した計算」です。他の多くのプログラミング言語では、整数と小数を足そうとすると自動的に型を変換(暗黙の型変換)してくれますが、Rustはそれを許しません。型が少しでも異なると、コンパイルエラーになります。

これは一見不便に思えるかもしれませんが、意図しない精度の損失や計算バグを確実に防ぐための設計思想です。異なる型同士で計算を行う場合は、as キーワードを使って明示的に「型キャスト(変換)」を行う必要があります。


fn main() {
    let integer_val: i32 = 10;
    let float_val: f64 = 2.5;

    // エラーになる例: let result = integer_val + float_val;
    
    // 正しい例: integer_valをf64にキャストして計算する
    let result = (integer_val as f64) + float_val;

    println!("計算結果: {}", result);

    // 逆に小数を整数に変換すると、小数点以下が切り捨てられる
    let rounded_val = float_val as i32;
    println!("切り捨て後の整数: {}", rounded_val);
}

計算結果: 12.5
切り捨て後の整数: 2

プログラミングにおいて、10(整数)と10.0(小数)は全く別物として扱われます。特にデータ分析や物理演算を行うプログラムでは、この厳格さが計算精度の担保に大きく貢献します。Rustでは「曖昧さを残さない」ことが、信頼性の高いシステムを作る鍵となるのです。

6. 数値のオーバーフローという概念

6. 数値のオーバーフローという概念
6. 数値のオーバーフローという概念

整数型を扱う上で、初心者が知っておくべき重要な現象に「整数オーバーフロー」があります。これは、その型が保持できる最大値を超えた数値を代入しようとしたときに発生します。例えば、u8 型は 0 から 255 までの数値しか持てません。ここに 256 を入れようとするとどうなるでしょうか。

Rustでは、デバッグモードで実行している場合は、オーバーフローが発生した瞬間にプログラムがパニック(強制終了)してエラーを知らせてくれます。これにより、不正確な計算結果がそのまま使われるのを防ぎます。リリースモードでは、エラーにはならず値が「ラップアラウンド(最小値に戻る)」しますが、基本的にはオーバーフローが発生しないような型選びが重要です。

7. 論理値と文字型も基本の仲間

7. 論理値と文字型も基本の仲間
7. 論理値と文字型も基本の仲間

数値以外の基本データ型として、「論理値(bool)」と「文字型(char)」も非常に重要です。これらもまた、メモリ上でのサイズが厳密に決まっており、Rustの安全性の一端を担っています。

  • 論理値 (bool): true(真)か false(偽)のどちらかの値を持ちます。条件分岐(if文)などで多用されます。サイズは1バイトです。
  • 文字型 (char): 単一の文字を表します。Rustの char は4バイトで、Unicodeのスカラー値を表すため、日本語の文字(絵文字含む)も1文字として扱うことができます。シングルクォート ' ' で囲みます。

fn main() {
    let is_rust_fun: bool = true;
    let is_finished = false; // 型推論

    let heart_emoji: char = '❤';
    let alphabet: char = 'A';
    let japanese_char: char = 'あ';

    if is_rust_fun {
        println!("Rustは楽しいですか?: はい!");
    }

    println!("お気に入りの文字: {}", heart_emoji);
    println!("日本語も扱えます: {}", japanese_char);
}

Rustは楽しいですか?: はい!
お気に入りの文字: ❤
日本語も扱えます: あ

このように、Rustの文字型はグローバルな環境に対応できるよう設計されています。古い言語では文字を1バイト(英数字のみ)として扱うことが多かったですが、Rustは最初から多言語対応を前提とした4バイト構成になっているのが現代的です。

8. 適切なデータ型を選ぶためのガイドライン

8. 適切なデータ型を選ぶためのガイドライン
8. 適切なデータ型を選ぶためのガイドライン

最後に、初心者がどのように型を選ぶべきかの基準を整理しましょう。型選びに迷ったら、以下のルールを参考にしてみてください。適切な型選びは、メモリ消費の抑制だけでなく、コードの読みやすさにも直結します。

整数型の選び方

基本は i32 を使う: 大抵の数値計算にはこれで十分です。

マイナスにならないなら u32: IDや回数カウントなどは符号なしが適しています。

巨大なデータなら i64 / u64: 世界の人口やファイルのバイト数など。

配列の添字なら usize: Rustのルールとして、配列アクセスにはこれを使います。

その他の型の選び方

小数は f64: 計算精度を保つため、特別な理由がない限り f64 を選択します。

フラグ管理は bool: 状態のON/OFFや条件の成否は bool 一択です。

一文字なら char: 文字列(String)ではなく、単一の文字として扱う場合に最適です。

Rustのデータ型を正しく理解し、使い分けることは、メモリ安全で高速なアプリケーションを構築するための第一歩です。最初は型の多さに戸惑うかもしれませんが、コンパイラが常にあなたのコードをチェックして正しい方向へ導いてくれます。エラーが出ても、それは「より良いコードにするためのアドバイス」だと捉えて、少しずつ慣れていきましょう!


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