カテゴリ: C++ 更新日: 2026/01/30

C++のnullptrとNULLの違いを完全解説!安全なポインタ操作の基本

nullptrの登場とNULLとの違い
nullptrの登場とNULLとの違い

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、ポインタの学習で『どこも指していない』状態にするとき、nullptrとNULLの2種類が出てきました。これらは何が違うんですか?」

先生

「実はこれ、C++の歴史に関わる大きな変化なんです。昔はNULLを使っていましたが、今はnullptrを使うのがルールなんですよ。」

生徒

「どうして新しい書き方が増えたんですか?何か危ないことでもあったのでしょうか?」

先生

「そうなんです。NULLを使っていると、コンピューターが勘違いをしてバグを起こす可能性があったんですね。安全にプログラムを書くための『nullptr』の正体を詳しく見ていきましょう!」

1. 空のポインタとは?「どこも指していない」という印

1. 空のポインタとは?「どこも指していない」という印
1. 空のポインタとは?「どこも指していない」という印

C++のプログラミングにおいて、ポインタ(pointer)とはデータの住所を保存する「メモ帳」のようなものです。通常、ポインタには何らかのデータの場所(アドレス)を書き込みますが、時には「今は何も指していません」「住所が空っぽです」という状態が必要になります。これを空のポインタ(ヌルポインタ)と呼びます。

パソコンを触ったことがない方でも、電話帳をイメージすると分かりやすいでしょう。ある人の電話番号(住所)がまだ分からないとき、そこを空欄にしておきますよね。もしデタラメな番号を書いてしまうと、間違った相手に電話をかけてしまいトラブルになります。プログラムも同じで、どこも指していないことを明確にしないと、コンピューターが暴走してしまうのです。この「空欄ですよ」という明確な印が、今回のテーマである nullptrNULL なのです。

2. NULLの正体:実は「数字の0」だった

2. NULLの正体:実は「数字の0」だった
2. NULLの正体:実は「数字の0」だった

昔から使われている NULL(ヌル) は、実はプログラミングの世界では「ただの数字の0」として扱われてきました。C++の元となった古い言語の時代から、慣習的に「0番地という住所はないから、0を代入しておけば空っぽという意味にしよう」と決められていたのです。

しかし、ここに落とし穴があります。コンピューターにとって「ポインタとしての0」と「普通の計算に使う数字の0」は見た目が全く同じなのです。これにより、人間が「住所のつもり」で書いた 0 を、コンピューターが「計算用の数値」だと勘違いしてしまう曖昧(あいまい)さが生まれてしまいました。Google検索で「C++ NULL バグ」と調べると、この勘違いが原因でプログラムが止まってしまった事例がたくさん見つかります。

3. 救世主 nullptr の登場!何が解決されたのか

3. 救世主 nullptr の登場!何が解決されたのか
3. 救世主 nullptr の登場!何が解決されたのか

そんな曖昧さを解決するために、2011年に登場したC++の新しい規格(C++11)で nullptr(ヌルポインタ・リテラル) が導入されました。nullptr は、数字の0ではなく、最初から「ポインタ専用の空印」として作られた特別な値です。

nullptr を使う最大のメリットは、コンピューターが絶対に「これは数値の計算ではなく、ポインタのことだ!」と正しく理解してくれる点にあります。この専門性の高さにより、開発者が意図しない動作を防ぐことができるようになりました。現在のC++プログラミングでは、特別な理由がない限り、NULLではなく nullptr を使うのが常識となっています。

4. コードで見る nullptr の使い方

4. コードで見る nullptr の使い方
4. コードで見る nullptr の使い方

それでは、実際にどのように書くのか、基本的なプログラムで確認してみましょう。ポインタを宣言するときに nullptr を代入するだけなので、とても簡単です。


#include <iostream>

int main() {
    // 住所を入れるポインタ変数を「空」で初期化する
    int* myAddress = nullptr;

    // もし住所が空(nullptr)ならメッセージを出す
    if (myAddress == nullptr) {
        std::cout << "現在はどこも指していません。" << std::endl;
    }

    return 0;
}

現在はどこも指していません。

このように、nullptr を使うことで「このメモ帳はまだ真っ白ですよ」という状態を安全に作ることができます。初心者の方は、まずこの書き方をセットで覚えましょう。

5. NULLを使うと起こる「勘違い」の例

5. NULLを使うと起こる「勘違い」の例
5. NULLを使うと起こる「勘違い」の例

なぜ nullptr が必要だったのか、もう少し詳しく説明します。例えば、同じ名前の機能が二つあり、一つは「数字を受け取る機能」、もう一つは「ポインタ(住所)を受け取る機能」だったとします。ここに NULL を渡すと、コンピューターはどちらを動かせばいいか迷ってしまいます。


// これはイメージ例です
// 数字の0を渡すと、コンピューターは「数字用の機能」を動かしてしまうことがあります
// nullptrを渡せば、確実に「ポインタ用の機能」が動きます

int* data = nullptr; // 安全!
// int* data = NULL;  // 数字の0と混同されるリスクがある

プログラミング未経験の方には少し難しく聞こえるかもしれませんが、要は「道具の使い分けをはっきりさせる」ということです。nullptr はポインタ専用の道具なので、誤用が起きないというわけです。これを型安全性(かたあんぜんせい)の向上と言います。

6. 安全なポインタ操作の鉄則:初期化とチェック

6. 安全なポインタ操作の鉄則:初期化とチェック
6. 安全なポインタ操作の鉄則:初期化とチェック

ポインタを扱う際、初心者が最も気をつけなければならないのが「デタラメな住所を触ってしまうこと」です。これを防ぐための鉄則が2つあります。

  • 鉄則1:ポインタを作ったら必ず nullptr で初期化する
    箱を作った直後、中身が空っぽだと宇宙のどこかを指している「爆弾」になってしまいます。まず nullptr を入れて安全装置をかけましょう。
  • 鉄則2:触る前に必ず nullptr かどうか確認する
    if (ptr != nullptr) という一行を書くことで、空っぽの住所に無理やりアクセスしてプログラムがクラッシュ(強制終了)するのを防げます。

7. まとめを前に:現代のC++開発スタイル

7. まとめを前に:現代のC++開発スタイル
7. まとめを前に:現代のC++開発スタイル

最近のエンジニアたちが書くコード(ソースコード)を見ると、古い参考書でない限り NULL はほとんど登場しません。C++は日々進化しており、より簡単で、より間違いが起きにくいように改良されています。nullptr はその進化の象徴の一つです。

パソコンの操作に不慣れなうちは、こうした細かい違いに戸惑うかもしれません。しかし、「新しい nullptr の方が賢くて安全なんだな」という認識だけで十分です。正しい道具を選ぶ習慣をつけることが、複雑なシステムを構築するプログラミングスキルへの近道となります。まずは、自分のコードに nullptr を取り入れて、エラーの出ない美しいプログラムを目指しましょう。

8. 比較表で理解を深める:NULL vs nullptr

8. 比較表で理解を深める:NULL vs nullptr
8. 比較表で理解を深める:NULL vs nullptr

最後に、これまでの内容を分かりやすく表にまとめました。迷ったときはこの表を思い出してください。

項目 NULL (ヌル) nullptr (ヌルポインタ)
中身の正体 数字の「0」 ポインタ専用の値
安全性 低い(数値と混ざる) 高い(確実にポインタと認識される)
いつからある? 大昔から(古いC言語時代) 2011年から(現代のC++)
推奨されるか 非推奨(なるべく使わない) 強く推奨(積極的に使う)

プログラミングの世界は言葉が難しいですが、やっていることは「安全に、効率よくデータを扱う」というシンプルな目的のためです。nullptr を味方につけて、ポインタの壁を乗り越えていきましょう!

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