C++とは?歴史と特徴をわかりやすく解説!Java・C#・Pythonとの違いも比較
生徒
「先生、C++ってよく聞くけど、どんなプログラミング言語なんですか?」
先生
「いい質問ですね。C++(シープラスプラス)は、コンピューターに命令を出して動かすための“プログラミング言語”のひとつです。ゲームや自動車、家電製品の中のプログラムなど、いろいろなところで使われています。」
生徒
「へえ!パソコンの中だけじゃなくて、家電や車にも使われてるんですね。」
先生
「そうなんです。C++は“速くて効率が良い”という特徴があるので、処理速度が大事なシステムに向いているんですよ。では、C++の歴史や特徴を順番に見ていきましょう。」
1. C++とは?
C++(シープラスプラス)とは、1980年代初めにデンマークのコンピュータ科学者「ビャーネ・ストロヴストルップ」によって開発されたプログラミング言語です。もともと広く使われていたC言語をベースに、「もっと便利に、もっと大きなソフトウェアを作りやすくしたい」という考えから生まれました。つまり、C言語の良さはそのままに、より実用的になるよう機能を足した言語だと思ってください。
C++は「C言語の拡張版」と呼ばれることが多く、C言語の持つ高速さや機械に近い表現力に加えて、オブジェクト指向(object-oriented)と呼ばれる考え方を取り入れています。オブジェクト指向とは、プログラムを「部品」の集まりとしてとらえる考え方で、ゲームのキャラクターや画面のボタン、車のエンジン制御などを、それぞれひとつの部品(オブジェクト)として扱えるようにする仕組みです。たとえば「プレイヤー」という部品の中に、「名前」「HP」「攻撃する」といった情報や動きをまとめておけるイメージです。
少しだけ、C++の雰囲気を知るために、超シンプルなサンプルプログラムも見てみましょう。ここでは、3たす5の結果を画面に表示するだけの小さなプログラムです。
#include <iostream>
int main() {
std::cout << 3 + 5 << std::endl;
return 0;
}
このプログラムは、コンピュータに「3 + 5 を計算して、その結果を画面に出してね」と命令しているだけです。実際には、ゲームやロボットの制御、カメラやセンサーの処理など、もっと複雑なことも同じように「細かい命令の組み合わせ」で表現していきます。C++は人間にとって分かりやすい文章と、コンピュータにとって処理しやすい命令の、ちょうど中間のような書き方ができるのが特徴です。
このような性質のおかげで、C++は複雑なシステムを作るときでも、部品ごとに分けて整理しながら開発できるようになりました。現在でも、ゲーム開発、組み込みシステム、AI(人工知能)開発、金融システムなど、身の回りのさまざまな分野で活躍している言語です。では、次にC++がどのような背景から生まれ、どのように発展してきたのか、その歴史を見ていきましょう。
2. C++の歴史
C++が生まれたのは、まだ家庭用のパソコンが今ほど当たり前ではなかった1980年代。研究機関や企業の大型コンピュータが主役だった時代です。開発者のビャーネ・ストロヴストルップ氏は、その環境で使われていた「C言語」の高速さを活かしつつ、もっと大規模で複雑なソフトウェアを扱えるようにしたいと考えました。そこで着目したのが、後に主流となるオブジェクト指向プログラミングの考え方でした。
最初、ストロヴストルップ氏が作ったのは「C with Classes(クラス付きC言語)」と呼ばれる拡張版のC言語でした。これは、既存のC言語に「クラス」という仕組みを追加したもので、オブジェクト指向らしい書き方ができるようになったのが大きな特徴です。その後、機能追加や改良が進み、1983年に現在の名前である「C++」が提案されました。
ここで出てくる「++」という記号は、C言語やC++で使われる「1を足す演算子」です。たとえば、次のようなC++コードでは、変数xの中身が1増えます。
int x = 1;
x++; // xは2になる
この「変数を1つ先へ進める」という意味になぞらえて、「C言語を一歩進化させた言語」というイメージで「C++」という名前が付けられたと言われています。つまり、C言語から自然な流れで生まれた、次の世代の言語というわけです。
その後C++は、特定の会社のものではなく世界中で共通して使えるようにするため、1998年に国際規格(ISO/IEC)として標準化されました。これにより、どのコンパイラでも同じようなC++プログラムを書ける土台が整い、「C++11」「C++14」「C++17」「C++20」といったバージョンが順番に登場していきます。新しいバージョンが出るたびに、コードの書きやすさや安全性、表現力が少しずつ強化されてきました。
このように、C++はC言語の時代から現在まで、約40年にわたって改良され続けてきた歴史の長い言語です。古い考え方を捨ててしまうのではなく、大切な部分を残したまま少しずつ進化してきた結果、今も現役で使われる汎用プログラミング言語となっています。次の章では、その長い歴史の中で育まれたC++ならではの特徴について、もう少し具体的に見ていきましょう。
3. C++の特徴
C++には、他のプログラミング言語にはない多くの特徴があります。主なものを簡単に説明しましょう。
- ① 高速な実行速度:C++はパソコンのCPU(頭脳)に直接近い命令を出せるため、非常に速く動きます。ゲームやロボットなど、スピードが大切な分野で使われます。
- ② オブジェクト指向:プログラムを「部品ごと」に分けて考えることで、管理しやすく、チーム開発にも向いています。
- ③ C言語との互換性:昔のC言語で作られたコードをC++でも使えるため、古いソフトの改良にも便利です。
- ④ マルチパラダイム:C++は「手続き型」「オブジェクト指向」「関数型」など、いろいろな書き方に対応しています。
4. C++とJava、C#、Pythonの違いを比較
ここでは、C++を他の人気プログラミング言語と比べてみましょう。それぞれの特徴を知ることで、C++の強みや向いている分野がよりはっきり見えてきます。
● C++とJavaの違い
Java(ジャバ)はC++に影響を受けて作られた言語です。C++とよく似ていますが、C++よりも簡単で安全に使えるように設計されています。Javaは主に「Webアプリ」や「Androidアプリ」の開発に使われています。
C++はプログラムを直接コンピューターが理解できる形に変換(コンパイル)して実行しますが、Javaは「仮想マシン」という仕組みの上で動くため、少し遅くなる代わりに、どんなパソコンでも同じように動くのが強みです。
● C++とC#の違い
C#(シーシャープ)は、Microsoft(マイクロソフト)が開発した言語で、C++やJavaと似た文法を持っています。Windowsアプリやゲーム(特にUnity)開発でよく使われます。
C++は低レベルの処理(メモリの管理など)も自分で細かく制御できますが、C#は自動で管理してくれるため、安全でミスが起こりにくいです。その代わり、C++ほどのスピードや柔軟さはありません。
● C++とPythonの違い
Python(パイソン)は、初心者にも人気の高いプログラミング言語で、AIやデータ分析、Webアプリなどに使われます。C++に比べてコードが短く書けて読みやすいのが特徴です。
ただし、Pythonは実行速度がC++よりも遅いため、スピードが求められる「ゲーム開発」や「リアルタイム制御」ではC++が使われることが多いです。実際、PythonでAIを作るときにも、内部ではC++が動いていることがあります。
5. C++の使われ方と将来性
現在でもC++は世界中で広く使われています。例えば、人気ゲームエンジンの「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」はC++で作られています。また、自動車の制御プログラム、家電製品、航空システムなど、日常生活のいたるところでC++が活躍しています。
さらに、AI(人工知能)や機械学習の分野でも、C++は“速さ”と“安定性”が求められるため、今後も重要な役割を果たし続けるでしょう。PythonやC#、Javaがどんなに進化しても、C++の基礎を理解しておくことは、エンジニアとして大きな強みになります。
6. C++の簡単なサンプルコード
最後に、実際にC++のコードがどんな見た目かを少し見てみましょう。以下は、画面に「Hello, World!」と表示するプログラムです。
#include <iostream>
int main() {
std::cout << "Hello, World!" << std::endl;
return 0;
}
このプログラムを実行すると、次のように表示されます。
Hello, World!
このように、C++は一見むずかしそうに見えますが、ひとつひとつ学んでいけば、ゲーム開発やAIなどの高度な分野にも挑戦できるようになります。
まとめ
C++というプログラミング言語は、速さ、柔軟さ、そして高い拡張性を兼ね備えた非常に実用的な言語です。この記事全体を振り返ると、C++が誕生した背景から現在の活用領域まで、さまざまな側面がひとつの流れとして理解できるようになります。とくに、C言語の拡張として生まれた歴史や、オブジェクト指向を取り入れた構造化された設計思想は、多くの開発者に支持され続けている理由そのものです。また、JavaやC#、Pythonと比較することで、C++が選ばれる場面や、どのような用途に強みがあるのかがよりはっきりと見えてきます。
実行速度の速さはゲームエンジンやリアルタイム処理に不可欠であり、メモリ管理の自由度は組み込みシステムで重宝されます。そして、金融システムやAIの内部実装など、安定したパフォーマンスが求められる分野での需要も高く、将来性を含めて長く使われ続ける言語のひとつだといえるでしょう。実際にサンプルコードを通して基本的な動作を確認することで、どのような書き方が行われるかを視覚的に学べる点も、理解を深める助けになります。
初心者にとっては難しく感じる場面もありますが、細かく分けて丁寧に学習していけば、確実に力を伸ばせる言語です。C++は単に古い技術ではなく、最新の標準規格によって進化を続けており、C++11以降のモダンな書き方では扱いやすさも大きく改善されています。ゲーム開発やロボット制御、AI、高性能アプリケーションなど、幅広い分野で活躍する可能性を秘めているため、ひとつずつ知識を積み重ねることで確かな実践力につながります。
C++の理解を深めるサンプルプログラム
以下は、クラスとオブジェクト指向の基本要素を簡単に確認できるサンプルです。この記事の流れに沿って、C++がどのように“部品化”された構造で動作するかをイメージしやすい内容になっています。
#include <iostream>
#include <string>
class Player {
private:
std::string name;
public:
Player(std::string n) : name(n) {}
void greet() {
std::cout << "こんにちは、" << name << "さん!" << std::endl;
}
};
int main() {
Player p("Taro");
p.greet();
return 0;
}
上記のプログラムは、ゲームキャラクターのような「プレイヤー」をオブジェクトとして扱っており、オブジェクト指向の基本的な考え方が自然に理解できる構成になっています。こうした“部品”を組み合わせることで、C++は複雑なプログラムでも効率よく整理しながら構築できる強みがあります。
生徒
「きょうのまとめを読んで、C++って本当にいろいろな場面で使われていることがよく分かりました。特に速度が重要なゲームやAIで役に立つのが印象的でした。」
先生
「その通りです。C++は処理が速いだけでなく、自由度の高い設計ができるので、幅広い分野で長く利用されています。比較したJavaやC#、Pythonとの違いを理解することで、それぞれの言語の使い分けも見えてきたのではないでしょうか。」
生徒
「はい!Pythonみたいに書きやすい言語とは違って、C++は難しい部分もありますが、その分だけ性能が高いんですね。オブジェクト指向のサンプルコードも分かりやすかったです。」
先生
「これから学習を進めると、クラスや継承、ポリモーフィズムなど、さらに面白い概念が出てきます。C++は奥が深く、理解すればするほど活用できる場面が増えていきますよ。焦らず一歩ずつ進めていきましょう。」
生徒
「ありがとうございます!今日の内容をもう一度復習しながら、少しずつC++に慣れていきたいです。」