C++とは?歴史と特徴を初心者向けに解説!Rustとの違いとモダン言語比較
生徒
「先生、最近Rust(ラスト)っていう新しい言語を聞くんですが、C++とどう違うんですか?」
先生
「良いところに気がつきましたね。Rustは“モダンC++”とも呼ばれることがある新しい言語なんですよ。C++の良いところを取り入れつつ、安全で使いやすいように設計されています。」
生徒
「へえ!じゃあC++の代わりにRustを使えばいいんですか?」
先生
「実はどちらも得意分野が違うんです。C++にもRustにも、それぞれ強みと弱みがあります。それでは、C++とRustの違いをわかりやすく説明していきましょう。」
1. C++とは?
C++(シープラスプラス)は、1980年代にデンマークのコンピュータ科学者 「ビャーネ・ストロヴストルップ」によって誕生したプログラミング言語です。 元になっているC言語にオブジェクト指向という考え方を取り入れ、 「複雑な処理をわかりやすくまとめる」「部品として再利用する」ことができるよう設計されました。 そのため、規模の大きなソフトウェアでも効率的に開発できるのがC++の大きな特徴です。
C++は40年以上使われ続けている言語で、昔からある信頼性の高さに加え、 今でも改良が続けられている“進化し続ける言語”でもあります。 ゲーム開発、家電の組み込みシステム、金融システム、AI処理、3Dエンジンなど、 とくに高速な処理が求められる分野では欠かせない存在です。 世界的に有名な「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」や「Adobe製品」など、 多くのソフトがC++によって作られていることからも、その性能の高さがわかります。
また、C++がどれくらいシンプルに動作するのかをイメージしやすいよう、 初心者向けの最小プログラムを見てみましょう。次のコードは画面に文字を表示するだけのものですが、 C++がとても高速に動く仕組みを体験する最初の一歩として最適です。
#include <iostream>
int main() {
std::cout << "C++の基本が動きました!" << std::endl;
return 0;
}
このように、C++は歴史が長いだけでなく、今も幅広い分野で使われる“現役の強力な言語”です。 速さと柔軟さを併せ持ち、基礎を学べば他の多くの言語にも応用できるため、 初心者が学ぶ価値の高いプログラミング言語といえるでしょう。
2. Rustとは?
Rust(ラスト)は、Mozillaによって2010年代に登場した比較的新しいプログラミング言語です。 開発の目的は、「C++と同じように高速でありながら、より安全に動作する言語を作ること」。 そのため、Rustは誕生当初から安全性と高速性の両立を大きなテーマとして設計されてきました。
Rustで最も有名な特徴が、メモリ安全性(memory safety)を保証する仕組みです。 特に、Rust独自のルールである所有権(ownership)は、プログラムがどのタイミングでメモリを使い、 いつ解放するのかをコンパイラが自動でチェックしてくれる仕組みです。 このおかげで、C++で起こりがちな「メモリの解放忘れ」「二重解放」「不正アクセス」といった重大なバグを、 開発の早い段階で防ぐことができます。
また、Rustはエラーメッセージが非常に丁寧でわかりやすいことでも有名です。 プログラムがうまく動かないときでも、Rustコンパイラは問題点と改善方法を細かく教えてくれるため、 初心者でも学びやすいモダン言語といえるでしょう。 実際に、Rustの入門者の多くが「エラーが怖くない」と感じるほどサポートが充実しています。
Rustの基本的な動作イメージがつかみにくいかもしれませんので、 まずは画面に文字を表示するだけの簡単なサンプルを見てみましょう。
fn main() {
println!("Rustの基本プログラムが動きました!");
}
Rustのコードは短く書けるのが特徴で、シンプルな記述でもしっかり高速に動きます。 このように、Rustは「安全でありながら速い」というバランスを重視した言語として注目されており、 将来性の高い選択肢として多くの開発者から支持されています。
3. C++とRustの歴史的な背景の違い
C++は1980年代に誕生して以来、40年以上にわたって世界中の開発現場で使われ続けてきた“ベテラン”の言語です。 長い歴史の中で数多くのライブラリやツールが整備され、ゲームエンジンから家電の組み込みシステムまで、 さまざまな分野で利用されてきた実績があります。 そのため、古い環境から最新アプリまで幅広く対応できる柔軟さが、C++の大きな強みとなっています。
一方、Rustは2010年代に登場した“新世代”のプログラミング言語です。 C++が長い間抱えてきた課題――特にメモリ管理の難しさや安全性の確保を解決するために生まれました。 Rustは開発当時から「安全で高性能」というテーマを掲げ、現代的な設計思想のもとで急速に人気を高めています。
C++は「人が自由に制御できること」を重視し、開発者が細かい部分まで管理できる柔軟さを持ちます。 しかしその自由さゆえ、メモリ操作のミスでプログラムがクラッシュするケースも起こりやすく、 初心者には少しハードルが高いと感じられるはずです。
対してRustは、「コンパイラが安全性を守る」という仕組みを採用しています。 所有権や借用といったルールを通じて、メモリの使い方を厳密にチェックし、 危険なコードが実行される前に防いでくれます。 そのため、Rustでは“コンパイルできる=かなり安全”という安心感があり、 現代のソフトウェア開発に求められる信頼性に強く応えています。
たとえば、Rustでは次のような初歩的なメモリチェックが自動で行われます。 これはC++だと自分で気をつけなければいけない部分です。
fn main() {
let s = String::from("Hello");
let t = s; // 所有権が移動するため、sはもう使えない
println!("{}", t);
}
このようにC++とRustは「歴史」も「重視する価値観」も大きく異なります。 ベテランのC++は自由でパワフル、新世代のRustは安全で堅実。 どちらも異なる方向から進化を続けている、魅力あるプログラミング言語です。
4. C++とRustの特徴を比較してみよう
ここでは、C++とRustの特徴を初心者にもわかりやすく比較してみましょう。 どちらも高速に動作する言語ですが、「どう設計されているか」「何を重視しているか」で性格が大きく異なります。 まずは表で全体像をつかみ、そのあとで簡単なサンプルを通してイメージを深めていきます。
| 項目 | C++ | Rust |
|---|---|---|
| 開発時期 | 1980年代 | 2010年代 |
| 速度 | とても速い(ネイティブ実行) | 同等に速い(C++並) |
| メモリ管理 | 手動で管理(柔軟だが危険) | 所有権システムで自動チェック |
| 安全性 | ミスをするとクラッシュの可能性あり | 安全性が高く、クラッシュしにくい |
| 習得難易度 | やや難しい(自由度が高い) | やや難しい(ルールが厳しい) |
| 開発分野 | ゲーム、OS、家電、金融など | Web、システム開発、安全性重視アプリ |
特徴の違いをより具体的に感じられるよう、ここではメモリの扱い方を簡単な例で比較してみましょう。 C++ではメモリを自由に管理できる反面、解放を忘れるとプログラムが不安定になることがあります。 Rustは所有権ルールにより、危険な状態を自動で防いでくれます。
Rustのシンプルな所有権チェック例
fn main() {
let msg = String::from("こんにちは");
let moved = msg;
// ここで msg は使えない(Rustが安全のためにチェック)
println!("{}", moved);
}
上の例では、msgがmovedへ渡された時点で所有権が移動し、 Rustは「使えない変数を使うミス」をコンパイル時に止めてくれます。 こうした仕組みによって、Rustは初心者でも比較的安全にプログラムを書き進められる言語になっています。 一方で、C++は柔軟で強力ですが、「自由さと引き換えに事故が起きやすい」という特徴も持っています。
このように、2つの言語は同じ「高速な言語」でありながら、設計思想や得意分野に明確な違いがあります。 どちらにも魅力があり、目的に応じて最適な選択が変わるのがC++とRustの面白いところです。
5. C++とRustのコードを比較してみよう
ここでは、同じ「画面に文字を表示する」という、とても基本的なプログラムをC++とRustで比べてみましょう。 たった数行のコードですが、両方の言語がどんな書き方をするのか、そしてどこが特徴的なのかを知る良い入り口になります。 プログラミングが初めての方でも理解しやすいよう、できるだけシンプルな例を選びました。
C++のコード
#include <iostream>
int main() {
std::cout << "Hello, C++!" << std::endl;
return 0;
}
C++では、#include <iostream>という形で「文字を出力するための道具(ライブラリ)」を読み込み、
mainという関数の中に実行したい処理を書きます。
std::coutは「画面に文字を出す命令」で、少し長く感じるかもしれませんが、
C++では動作を細かく制御できるようにするため、こうした書き方になっています。
Rustのコード
fn main() {
println!("Hello, Rust!");
}
Rustの書き方はとてもシンプルです。fn main()はC++と同じ「プログラムの入り口」ですが、
画面に文字を出すには println! という短い命令を使うだけで済みます。
Rustは「読みやすさ」と「分かりやすさ」を意識して設計されているため、
初心者でもコードの意図をつかみやすいのが魅力です。
出力結果
Hello, C++!
Hello, Rust!
どちらの言語も、最終的には同じ結果が表示されます。 ただ、コードの長さや書き方を見ると、Rustのほうが簡潔であることがわかります。 C++は長年使われてきた背景から「細かい制御ができる強力な言語」、 Rustは「安全さと読みやすさを重視した新しい言語」という違いが、 この短いサンプルでも感じられるでしょう。
このように、同じ処理でも言語によって書き方が変わります。 C++は柔軟でパワフル、Rustはシンプルで安全性が高いという特徴が、 初歩的なプログラムにも自然と表れています。
6. C++とRustの使い分け方
「結局どっちを使えばいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。実は、どちらが優れているというよりも、目的に合わせて選ぶことが大切です。
- 高速なゲームや3Dエンジンを作りたい → C++が向いています。既存のゲームエンジンがC++で動いているため、開発環境が整っています。
- 安全で安定したサーバーアプリを作りたい → Rustが向いています。メモリ管理が自動で安全に行われるため、システムが落ちにくいです。
- 古いシステムの改修や連携を行いたい → C++が有利です。長年使われてきた歴史があるため、既存資産が多くサポートが充実しています。
つまり、C++は「パワフルで自由」、Rustは「安全で堅実」。目的に応じて選ぶのがベストです。
7. C++とRustはライバルではなく仲間
最後に、C++とRustは“どちらが上か”を争う関係ではありません。実際には、Rustの内部にもC++の技術が使われていることがあります。C++で作られた高速なライブラリをRustから呼び出すこともできるのです。
プログラミングの世界では、「古い=悪い」ではありません。C++のように長い歴史を持つ言語は、実績と信頼があります。そしてRustのような新しい言語は、それを参考にして改良されています。
つまり、C++を学ぶことは、Rustを理解する第一歩にもなるのです。どちらの言語も学ぶ価値があり、これからの時代に両方の知識を持つエンジニアは強力なスキルを持つことになるでしょう。
まとめ
C++とRustという二つの言語は、ともに高速で強力なシステム開発を支える存在でありながら、それぞれ異なる背景と思想をもって設計されていることが、記事全体を通じて理解できたのではないでしょうか。C++は四十年以上の歴史を持ち、ゲームエンジン、金融システム、組込み開発など、極めて高度で複雑な処理が必要な分野で長く活躍してきた言語です。その柔軟性とパワーは今でも色褪せることなく、多くのプロフェッショナルが日々の開発に活用しています。一方でRustは、安全性とモダンな使いやすさを重視し、コンパイラが所有権という仕組みを使ってプログラムを守ってくれるという新しいアプローチを採用しています。特にメモリ管理に関してはC++とは正反対の方式を取り、コンパイル段階で危険なコードを排除することで、高品質なアプリケーションを構築できる点が大きな魅力となっています。 歴史的な背景の違いはそのまま設計思想の違いに直結しており、C++は「自由とパワー」、Rustは「安全と堅牢さ」という性格を持っています。また、コード比較でも見たとおり、Rustは現代的で簡潔さを追求した構文を持つのに対し、C++は柔軟であるからこそ複雑さも含みます。しかし、これはどちらが良い悪いではなく、目的によって選択するポイントになるということが大切です。長年運用されているシステムの改修、既存資産の活用、ゲームエンジン開発などではC++が力を発揮し、安全なサーバーアプリケーション、堅牢で信頼性の高いシステム開発にはRustが向いているなど、得意分野が異なります。 さらに、C++とRustは対立する存在ではなく、むしろ互いを補完し合う関係であり、Rust内部でC++のライブラリを使ったり、両者を組み合わせて開発を行うケースも増えています。これらの点から、C++をしっかり学ぶことは、Rustをより深く理解するうえでの基礎力にもなり、どちらのスキルも未来のエンジニアにとって非常に価値の高い武器となります。ここでは、学んだ内容をより深めるために、C++で書かれたサンプルプログラムを用意し、記事の振り返りをしやすいようにしています。実際に手を動かすことで、C++の基本構文やオブジェクト指向の仕組みがさらに理解しやすくなるでしょう。
C++の特徴を振り返るサンプルプログラム
以下は、C++の基礎である入出力とクラスの仕組みを用いた簡単なサンプルです。Rustに比べてコード量は増えるものの、柔軟で拡張しやすい構造であることがわかります。記事で触れた「C++の歴史的背景」「オブジェクト指向」「柔軟性」というポイントとも結びつけながら読んでみてください。
#include <iostream>
class Greeting {
public:
void hello() {
std::cout << "C++は歴史が長く、高速で柔軟な言語です。" << std::endl;
}
};
int main() {
Greeting g;
g.hello();
return 0;
}
このコードはごくシンプルですが、C++の基本的な構造が詰まっており、クラスを使って処理を分ける考え方や標準出力の使い方が自然に理解できます。こうした小さなコードを積み重ねていくことで、C++の自由度の高さや奥深さを実感できるようになります。
生徒
「C++とRustがどう違うのか、すごく分かりやすかったです!Rustのほうが安全だけど、C++は柔軟で歴史が深いっていうのが印象に残りました。」
先生
「そうですね。どちらにも優れた部分があって、使う場面によって選ぶことが大切です。長年使われてきたC++は信頼性と実績があり、Rustは新しい時代の要請に応える形で生まれました。」
生徒
「Rustの所有権システムって便利なんですね。メモリ管理を自動でチェックしてくれるなんて、初心者にはすごく助かりそうです。」
先生
「確かにRustは安全性を重視している分、初心者には安心ですが、ルールが厳しいので最初は戸惑うこともあります。C++は自由度が高いぶん、幅広い分野で応用できますよ。」
生徒
「両方学んでおけば、それぞれの良いところを活かせそうですね。プロジェクトによって使い分けられるのって強いですね!」
先生
「ええ、その通りです。C++とRustはライバルではなく、互いの弱点を補い合える関係です。どちらの知識も持っておくと、エンジニアとしての幅が大きく広がりますよ。」